内気なオオカミさんのところにやってきたお客さんの正体とは?
第46回講談社絵本新人賞受賞作は、誰でも読める「コミック絵本」!
受賞作家・鹿毛トモタロウさんによる、絵本制作日記の第5回目です。

これまでの日記
彩色
絵本の場合、ページごとに色のバラつきが出るのはよくないので、同じ色を使う部分はまとめて彩色しています。そのため、1枚の絵を描くときには絶対にやらないような順番で色をのせていたりもします。
どんどん色をのせ、細かい部分を描きこんで、絵の具でつぶれてしまったインクの線を描き足して……。
彩色の様子(写真提供 鹿毛トモタロウ)
梱包どうする?
トレーシングペーパーをテープでとめる場合は、セロテープだとはがれて他の紙に貼りついてしまうので、マスキングテープがいいそうです……!
原画の梱包方法については、授賞式で受賞者の方々とテーブルを囲んだ際にも話題になりました。
私は、万が一の水濡れ対策として、原画をプラ袋に入れ、それをプラスチックダンボールで挟み補強するという方法をとっています(プラスチックダンボールは工作用の材料として販売されていて、100円ショップでも入手可能)。
念には念をで、防水のためさらにプラ袋に入れ、手に入るときには外袋も防水の物を使います。
できあがり! (写真提供 鹿毛トモタロウ)
デザインの力で本屋さんに売っている本に!
見た瞬間……
うわー! 本屋さんで売っている本だ!!
それはそうだろうと思われるかもしれませんが、当たり前のことではないのです。自分が描いた絵がデザイナーさんの手によって、本屋さんにあってもおかしくない作品に仕上げられている……。
プロの仕事はすごい!
素敵に仕上げてくださり、ありがとうございました!
オオカミさん特製手打ち生パスタ
編集部に原画を届けると、印刷所さんが原画をスキャンして印刷用のデータを作成してくれるそうです。このデータに、デザイナーさんが本文のテキストをレイアウトしてくれます。何度か調整をして、本のデータが完成! このデータを印刷所さんに入稿して、実際の本で使う紙に印刷してゲラが出来上がります。初めてのゲラは「初校」と呼びます。
この初校、私にも届いたのですが、出版社の校閲部の担当者さんにも届くとのこと。しばらくして、初校の校閲が私の手元に届きました。開けてみると、いろんな書き込みがされていました。校閲を通して、さまざまなことを確認してもらったようです。書き込みは2種類。
赤字は、文のあやまりなど必ず直さなければいけない部分。えんぴつは、主に『この部分これで間違いないですか?』という確認部分です。この、えんぴつ部分の細かさにはおどろきました。 そして、「なるほど、ここはこんなふうに見える場合もあるのか」、と勉強にもなりました。
なかでもおどろいたのが、料理の絵の部分に対するえんぴつ。ペンネのようなものがちらっと出てくるのですが、それについて、『ペンネの形は正しくは両端が斜めになります』と、ありました。この部分までチェックされているとは……。
このペンネらしき料理、どういう意図で描いたかというと、ペンネそのものではない『空想料理』なのです。なので、片側が斜め、もう片方はスパッとまっすぐという形をしています。食感も中身が詰まったもちもちとしたもので、「オオカミさん特製手打ち生パスタ」とでもいうのでしょうか。
空想料理とはいえ、実際に作れそうなので作ってみました。生地をこねて、のばして、クルッと巻いて、切り分け、ゆでて……。ソースはトマト、ニンニク、フレッシュバジル。ゆであがったパスタとあえれば、できあがり! 味と食感も、イメージどおり。
オオカミさんの生パスタ、こんな感じです。
オオカミさんの生パスタ(写真提供 鹿毛トモタロウ)
マフラーの巻き方、再現できますか?
この本には、『オオカミさんのおきゃくさん』というタイトルからもわかるように、『おきゃくさん』が出てきます。
このヒト、顔をマフラーでぐるぐる巻きにしているのですが、「マフラーの巻き方がページによって違う?」という、えんぴつが。編集部内でも、この巻き方は実際にできるのか? と、盛り上がっていたそうです。
絵のとおり再現できるか、好奇心の強い方は、ぜひ挑戦してみてください!
さて、今回はこんなところでおしまい。
次回は、いよいよ本の完成に向かって……。
次回に続く。
おきゃくさんのマフラー。(「オオカミさんのおきゃくさん」より)

































鹿毛 トモタロウ
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。
1983年生まれ、札幌出身。個展等でイラストの制作を行う。第46回講談社絵本新人賞受賞。